羽毛ふとんのこと-3
羽毛ふとんが暖かいのはなぜ?
羽毛ふとんがあたたかいのは、空気層を身体の周りに留める力と、優れた吸放湿力によるものです。

吸放湿性だけで比べるとウールには及ばないですが、他の素材に比べると非常に高いのです。そして軽さと空気を保持する力は桁違いに優れているためおふとんに最適な素材といえるのです。
①空気の層
羽毛はその軽く、たくさんの空気を含むことができる構造を持つため暖かいのです。空気は天然の断熱材といえますね。

睡眠時、身体の周りに作るデッドエア(動かない空気の層)による高い断熱性で「暖かさ」を維持することに優れているのです。
綿わたふとんなどの他の素材では、羽毛と同じだけの空気を保持するには何層も重ねる必要があり、おふとん自身が重くなってします。
保温性の違いは、空気の量の違いと考えても問題ございません。
だからふんわりとかさ高の高い羽毛ふとんは暖かいのです。
②吸放湿機能

羽毛は高い吸放湿性を持ちます。
湿度の高いお布団の内側(身体側)から吸湿し、水蒸気を羽毛が受け止めます。
空気中の水蒸気分子が羽毛の繊維に吸着される際に発生する熱を利用して暖かくなる現象のことです。(水蒸気は気体です。湯気は小さな液体です。水蒸気と湯気は違い、湯気は見えますが水蒸気は見えません。)
これは水蒸気分子の運動エネルギーが熱エネルギーに変わることで起こります。
受け止められた水蒸気は、湿度の低い上部の羽毛へと徐々に放湿・吸湿を繰り返し、最終的におふとんから放湿されるのです。
この吸放湿は、「無意識の汗」によっても起こっているので、おふとんはずっと吸放湿を繰り返す環境にいるのですね。頑張っているのです!
だからムレにくくて暖かいのです。
吸湿発熱で暖かいというよりは、水蒸気をおふとんの外へ放出するためムレにくく、たっぷりとした空気を溜め込む能力がずば抜けて高いため優れた保温性があるというところが羽毛ふとんの最大の魅力です。